黒木華 日本女性 美 佇まい 小さいおうち 天皇の料理番
といった、優しい言葉が強い印象の尾を引く、今日この頃のこと...。
やはり、あの時からか...。
一つは映画。
さかのぼること、2014(平成26)年2月中旬開催の、世界三大映画祭の一つ、第64回ベルリン国際映画祭コンペティション部門の授賞式にて、出演作である山田洋次監督の映画『小さいおうち』での最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞のニュースから...。
山田洋次監督作品がコンペで主要賞を受賞するのは、5回目の挑戦で初めて...。
受賞は、左幸子[1964(昭和39)年]、田中絹代[1975(昭和50)年]、寺島しのぶ[2010(平成22)年]、に続いて4人目となるのか...。
内容は、中島京子の直木賞受賞作の原作を軸に、昭和初期から終戦にかけて東京の中産階級の平井家に奉公した女中・布宮タキが見た日常と、奥方の平井時子(松たか子)の道ならぬ恋を描いた物語。
黒木華演じるタキは、14歳で時子の家に奉公に上がり、優しい時子に仕えることに喜びを覚え、平井家に骨を埋めるつもりで奉公に励む有能な女中という。
中でも、戦争による食糧規制を物ともせず、平井家の食卓を彩る姿、素晴らしかった。
聞くところでは、"クラシックな顔立ち"が決め手となって、起用されたとか...。
そのこともあってか、山田洋次監督はじめ制作スタッフと他の出演者への感謝の気持ちにあふれている黒木華は、まさに感慨深げそのもの...。
以後、同年3月下旬より放送開始のNHK朝ドラ『花子とアン』にて、村岡花子ことヒロイン・安東はな(吉高由里子)の2歳年下の妹・安東かよの、明治・大正・昭和における波瀾万丈の生涯を演じての、ヒロインに匹敵するくらいの存在感も印象に残ったけど...。
もう一つは連続テレビドラマ。
TBSテレビ60周年特別企画として、2015(平成27)年4月下旬から放送のTBS日曜劇場『天皇の料理番』。
福井県武生村での幼い頃からのやんちゃな性格ゆえに、父・周蔵(杉本哲太)と母・ふき(美保純)により入れられた寺も破門、優秀な兄・周太郎(鈴木亮平)に反してあまりに単純かつ短気さゆえに頭を悩ませた両親による、海産物問屋・松前屋の婿養子入りした主人公・秋山篤蔵(佐藤健)の妻で、慎ましいながらも気高く生き抜いた俊子のはなかげな生涯...。
語りを兼任していることもあって、何度観ても心に響くものが...。
当初こそ両親の影に隠れるかのように押されがちでも、単身上京した篤蔵を追って、助産婦としての日々、やがて子ども産んで育てるようになってからは、少しずつ凛々しい女性に変化してゆく表情と動きが...。
特に、「ジュデーム」を口にした時の喜びと美しさ、素晴らしかった。
この時点において、日本女性としての美と佇まいにおいては、以上の2作品が代表作と言ってもいいや。
1990(平成2)年3月14日の大阪府出身。
思春期に演技に目覚めて以来、追手門学院高等学校演劇部所属早々より主役を務めたことが、秘かな自信となったんだろうなあ。
京都造形芸術大学入学後、林海象と東陽一らに師事して演技を学び、大学在学中の2009(平成21)年に野田秀樹の演劇ワークショップに参加。
オーディション合格後、NODA・MAPの公演『ザ・キャラクター』にアンサンブルとしての出演が、女優デビュー。
以後は、長塚圭史主宰の阿佐ヶ谷スパイダースの2011(平成23)年7月から8月までの舞台『荒野に立つ』、蜷川幸雄演出の同年10月下旬から12月上旬までの舞台『あゝ荒野』、ゴーチ・ブラザーズの2013(平成25)年1月下旬の舞台『飛龍伝』の主演・神林美智子役...。
着実に段階を積み重ねることになって...。
そして、2016(平成28)年に入ってからは、NHK大河ドラマ『真田丸』で主人公・真田信繁(のちの幸村)[堺雅人]の初恋相手で、真田の郷の地侍・堀田作兵衛(藤本隆宏)の妹・梅を、はかなげながらも気高く力強く演じることに...。
『小さいおうち』でのタキと『天皇の料理番』の俊子を重ね合わせたかのような雰囲気の予感が...。
これからも末永く見守っていきたいなあ。
日本でも世界でも自然と浸透できる日本女性としての美と佇まいを...。
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