水野敬也 鉄拳 それでも僕は夢を見る あなたの物語
かねてから、お笑い芸人としての鉄拳さんの気になってしまう今日この頃のこと。
特に、動画サイトで300万回以上の再生数を誇ったパラパラ漫画「振り子」やNHK朝ドラ『あまちゃん』でのアニメが、忘れられなくて...。
そんな中で何気に書店で目にした2冊の本が...。
すなわち200万部超えのベストセラー『夢をかなえるゾウ』の水野敬也とのコラボレーション...。
まず2014(平成26)年3月18日火曜日に発売されたシリーズ第1弾『それでも僕は夢を見る』(文響社)。
物語には、主人公の「僕」と、擬人化した「夢」の2人が登場。
「夢」はずっと「僕」のそばにいて励ますが、現実の厳しさから「夢」を追うのが辛くなった「僕」はある日、「夢」を捨ててしまい、そのまま長い歳月を経て老人となり、1人病室にこもってしまって...。
すると、そこにかつて捨てたはずの「夢」が戻って....。
「夢」に励まされ、「僕」は死ぬ前、最期に1通の手紙を書き上げる。
動き出しそうになめらかなモノクロの絵と、静かな余韻を残す物語で、全体を通して5分ほどで読書終了。
失礼ながら、立ち読みもできてしまうくらいの手軽さであるものの、夢や目標が見つからなくて悶々としている人たちに、生きる素晴らしさを教えてくれるかのような感動が...。
子どもが読むには良い本かなあ。
絵本として子どもに読み聞かせしてあげるのにも、ふさわしいかもしれないや。
次に、2015年2月25日水曜日発売のシリーズ第2弾『あなたの物語 人生でするべきたった一つのこと』(文響社)。
第1弾同様、数分で読書終了する割に、長く手元に置きたくなる珍しい本、外見のページの量は少なくても内容の深い本そのもの。
さまざまな障害を乗り越え、たった一人の勝者を決めるための過酷なレース。 いわゆる人間誕生に至るまでの精子の過酷なレース。
それに近いような描写(?)といい、初歩的な性教育の一環なのかと一瞬だけ想像してしまったけど、その果ての「私」という存在は、かけがえのない存在であるという自己肯定感を満たしてくれて感動。
必死に、ただひたすらに走る…。
主人公は、熱く、ひたすら走ってゴールを目指す。
事実、読むにあたっては、その主人公の姿に重ね合わせるかのように、ページを捲る手も休まずゴールへ一直線のような気持ちそのものだった。
もしも、実際の思春期に壁にぶつかった時、人生でちょっと自信を失ったとき、この鉄拳さんのパラパラ漫画のような作風で真正面から訴えられたら、心の中に優しく浸透してくれて、嬉しい気持ちにさせてくれそう。
「お前たちは選ばれた存在。 人生を楽しんで欲しい」
そう訴えてくれるかのよう。
遠い将来にわたって、多くの子どもたちに、夢と目標を自然に実感させられることを祈って...。
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