西原理恵子 作品 スナックさいばら おんなのけものみち
男女ともに助け合う大切さが謳われて久しいご時世の中、これからを強く逞しく生き抜くためにも、西原理恵子氏ほど波瀾万丈な人生ほど学べるものは大きいだろうとの直感から、つい購入。
お恥ずかしながら、ミーハー心もいくらか加わっているかな。 というのも、「辛い時こそ笑い飛ばそう!」という謳い文句があれば、すぐ知りたくなってしまうんだよなあ。
ましてや、入退院を繰り返す程のアルコール依存症で死亡した実父、姑問題などに悩まされた母、無類のギャンブル好きでさまざまな商売に手をつけて成功と失敗を繰り返す義父の借金苦による自死、ともなれば、なおさらのこと。
いかにして、どん底から這い上がったのか? を。
「スナックさいばら」のママに扮した"サイバラ"の語り口による文体による"アンチ正論"を前面に出した実践版人生指南書『スナックさいばら おんなのけものみち』シリーズ、凄まじすぎるわ。
時系列にたどってみて...。
2013(平成25)年1月29日火曜日発売の第1弾『七転び八転び篇』では、恋愛、結婚、出産、子育て、嫁姑問題など、キレイゴトでは済まされない問題は本当に多いもの。
会社での理不尽に遭遇した際のストレス発散に使えそうな点で、全体を通して若い世代向けかな。
同年5月1日水曜日発売の第2弾『バックレ人生大炎上篇』では、「恋愛でのこりゃないわの話」や「おひとりさまの話」などのそれぞれの女性の懺悔が気になった。
例え、自分とはかけ離れた内容であっても、"サイバラ"のツッコミに笑ってしまったり、自身の人生を照らし合わせてみたり、いろいろと思うこともできる本だった。
同年7月31日水曜日発売の第3弾『ガチ激闘篇』。
内容は、家庭内におけるしんみりする話や重いテーマで大部分を占めていて...。
「人殺しのベランダ」とか「地獄の沙汰からの生還」とか「我が家のサイテー料理選手権」など、独特の観察眼をもって笑い飛ばす姿、凄まじすぎる。
第1弾から恒例の恋愛相談だけに留まらず、介護や料理、掃除などの日常生活にもスポットを当てた内容。
女性だけでなく男性が読んでも十分面白い一品、と言ってもいいや。
2014(平成26)年に入って、3月27日水曜日発売の第4弾『男とかいらなくね?篇』とは、なかなか過激な...。
自分の長所は頭で考えず、働いて人に見つけてもらう。
働いてさえいれば、起死回生のチャンスはやってくる。自分が稼ぐ力を持つことは何よりのセイフティネット。
交際中の男性や結婚してからの夫に不満を抱いてしまう女性へのエールかなあ。
女性にすれば、ツボにはまればほっこりとした気分になれそうな一冊と言ってもいい。
「『泣き寝入り』と『撤退』は違います」の件、決して忘れない。
同年7月1日火曜日発売の第5弾『生きてりゃいいじゃん、笑っとけ篇』は、いわゆるシリーズ集大成。
死生観・人間観のすべてをかけて、多くの女性たちへ贈る幸せのエールが中心。
西原理恵子自身のかねてからの天敵や年下男にハマる理由の件の面白さはもちろんのこと、結婚の魅力や、家族の看取り方、そして"終活のススメ"について。
感無量(?)といった不可思議な心地になってしまったかのよう。
いずれにせよ、シリーズを通して強く実感したことは、生きることは優先順位を決断する作業。
決して忘れないためにも、折りをみて、繰り返し読んでみようかな。
PR